解説文 |
この体育館の主題「人の動きの知覚しやすい空間創り」を実現するため、1階に多目的講義室、2階にアリーナの主機能に対し、接続するアプローチ空間をガラススクリーンによるロビーとして独立させ、中庭を経て導かれる構成とした。そこでは、目的時間以外の休憩や移動時間でも、光の移ろいや風の流れが感じられ、使う人にとって明快かつ快適であるよう、また、外から人の動きが垣間見える視認性の高い空間創りを実現した。表現は、機能分化に対応し純化された要素によるミニマムな構成とし、構造体に光が移ろい「建築の働き」が知覚できる建築へと昇華した。また、前面のプラザは、豊かな緑を背にしながら、ロビー空間と一体になった内外領域を形成し、空間の認識性の高い「場」により、街並みの景観形成に寄与した。川崎医療短大の「人をつくる」「体をつくる」「深い専門的知識技能を身につける」という学園建学の理念が、「人の動きと建築の働き」を知覚できる内外空間に結実することを意図した。
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