解説文 |
この建築は市町村合併を機に電話機製造の工場からコンバージョンした、甲府盆地に建つ市庁舎です。この建物では、工場の内部空間を利用して1階に窓口業務を中心とした事務執務室、保険センターを、2階に議場を始めとした議会関係諸室を配することで用途変更による機能転化を実現しており、また適切な吹き抜けや明快な動線によって広がりのある豊かな内部空間を形成しております。耐震基準確保のための、架構の外側のPCa−PC造のアウトフレームは、この建物にフレキシビリティーの高い内部空間を与えているばかりでなく、市庁舎としての特徴ある外形のファサードの新たな意匠を形成しています。このように、この建築はコンバージョンによるサスティナビリティーを前提としたエコロジーデザインとしての評価に留まらず、同時に新設の庁舎建築としての完成度の高い空間を形成したものとしても特に評価されて国土交通大臣賞に選定されました。
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