解説文 |
この建築は能登の七尾市の田園地帯にある神社の境内の杜に隣接して建てられた小規模な保育園です。この保育園は軒高を低く抑えたフラットルーフに近い緩勾配の屋根によって隣接する入母屋屋根の神社や境内の樹木に対し、柔らかなコントラスを成し、また周囲の人家や田畑との調和を保った見事な景観を形成しております。また深い庇の大屋根は内外の曖昧な境界を持つ空間として児童の多様な活動を包み込む豊かな園舎としての場所を形成しており、更に丁寧に設計された内部は爽やかで優しい内部空間として保育園児の豊かなアクティビティーを包含する場となっています。素朴な地場の構造材や仕上げ材による、そしてまた単純な構造や自然エネルギーの有効利用を伴ったこの建築は、それ故に柔らかな優しい建物となっています。このように、この建物は、建物と人とそして環境との豊かな関わりを感じさせる建築として特に評価され日事連会長賞に選定されました。
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