解説文 |
7mの高低差のある敷地に建つ親子の2世帯住宅である。造成をせず、壁構造、3層吹抜のコンクリートのボックスの中に、連階段を巡って巧みに空間が構成されている。光の明→暗、場所の広→狭といった空間のリズムを使って、単純な壁のボックス内部にさまざまなニュアンスの生活の場所を創り出している。また南に大庇を造り、それぞれの部屋に風の流れを作り出している。分離請負発注で、設計者が直接専門業者をコントロールして完成したという。手間は要するが、私たちが手掛ける一般的な普通の住宅を一般的なコストでしかも質の高い住宅を創ろうとする時、設計者の知恵が必要であり、これから取り組むべき課題かもしれない。
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