解説文 |
東京都渋谷区東に建った宮邸で、旧東伏見宮邸の改築にあたる。延床面積は約1,100m2で、東側の平屋建て公室棟と西側の2階建て私室棟からなる。外観および公室部分は洋風建築の意匠でまとめられており、華美ではないが落ち着いた品格のあるデザインが見て取れる。一方で東側の車寄せから第一応接室へのアプローチは軸性のないシーケンシャルなものであり、日本的なものといえる。また、空気調和設備の吹出口や吸込口を西洋的な意匠の中に目立たぬように埋め込んでいて、現代技術・西洋意匠・日本的な空間構成が、この建築において巧みに融合されている。
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